公私混同

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彼にも部屋の印象や部屋から見える景色など、思った事や感じた事を書いてもらう。 私はいつものごとく色んな所を開けたり、部屋から見たり調査に徹する。 晩の食事時間になり、彼と会場に向かう。 メモを出せないので、記憶しておく事と彼に伝えて、食事する。 予約を取った時、彼と私の食事の料理を違う物にした。 違う種類があるならば、そちらも調査すべき点なので当然の事。 料金設定にしては、豪華な料理で、種類も多く、色々と楽しめるようになっている。 特産物をふんだんに取り入れ、そこでしか味わえない物ばかりで、この旅館に来た意味を成す。 彼の料理も同じように、特産物でまた違った料理を作り提供している。 工夫とアイデアの詰まった料理だった。 会場のスタッフもテキパキと動き、丁寧に対応している。 食事を終え、大浴場の調査。 男湯と女湯の調査をして、私は先に部屋に戻った。 すると、彼が部屋にやって来る。 調査した事をまとめて書く紙を受け取り、彼がまとめた物を読むと、初めてとは思えないほど、細かく書かれていて、読むだけでその旅館の部屋や料理、大浴場が想像できる。 「それで、いいか?」 「うん……完璧。私より、すごいかも…」 「ふっ、当然っ!」 そう言うと部屋に入り、早速、客室の露天風呂を眺める。 「ここは、2人で調査だろ」 私の腕を引き、顎を持ち上げキスをする。 「さて…じっくり、お前の調査もしようか?」 「な、何言ってんのよ……知ってるくせに!」 その後、いつものごとく力尽きた事はいうまでもない……。
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