サラの戦う理由

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「アッハハハ! いやー、参っちまうよな! まさか落っことして、たまたまスコーピオンに食われるなんてな」 「お前今なんつった」 大事だったのに落としたのか、こいつ。 自業自得じゃねえか。 もっと重大な話だと思ったのに! 「紐がさ……古くなってたんだよなぁ」 そんな表情の影を増しながら、重みある言い方する案件じゃねえよ。 まあでも…… 「ーー旦那、無理してついて来なくても良いんだぜ? ほら、あたしのミスだしさ。 旦那のお陰で強くなれたし、きっと何とかなるって!」 そんな悲しそうな顔をしている女の子を放っておけないよな。 しゃあねえ、たまにはヒーローやるのも悪くはないだろ。 「アホか。 女の子を戦わせておいて逃げるなんて男の風上にも置けない事出来るかよ」 「旦那……」 「それにスラ子も心配だしな。 ちゃんと連れ帰らないと……」 「ですです。 本体は強いですけど、スコーピオンに振り落とされて踏まれたりしたら大変ですぅ」 そういえば、スラ子ってどうやったら死ぬんだ? 何度でも復活するから、本当に死ぬんだろうか。 「ーー後学の為に聞いときたいんだけど、スライムってどうなったら死ぬの?」 「知らないです? スライムは身体の何処かにある核を破壊されたら生命活動がシューンとなるですよ。 スラ子はお腹に見えないぐらい小さい核があるです」 「……ちょっと待て。 なら、もしスコーピオンみたいなバカでかい奴がスラ子を踏み潰したら」 「多分粉々になるですぅ」
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