魔物堕としの魔眼

このくそったれな世界とはサヨナラだ

思い出したら段々とむかっ腹が立ってきた。

「何人か道連れにしてやれば良かった……」

だが今さら遅い。
もうすぐ死ぬのだから。

そうだ、もし生まれ変わったら人間どもを殺そうかな。
生まれ変われたらの話だが。

『転生における条件確認。　転生準備を開始』

なんだこの、機械音声は。
どこから…………
携帯にインストールしたアプリが誤作動でもしてんのか？

『続けて肉体のスキャンを開始します』

今度は眩しい……ライトでもついたのか？
もう視界が朧気だから分からないが。

『肉体の脆弱性を検知。　スキル【肉体蘇生】獲得。　スキル【危機感知】獲得。　スキル【成長する神木】獲得。　スキル【言語解析】獲得』

なんなんだ、さっきからうるさい。

『精神のネガティブ補正付与。　モンスターからのヘイト減少。　モンスターの友好対象として指定。　人間種の敵対認識付与。　それに伴い人間種への残虐性を開放』　

ネガティブで悪かったな。

『ユニークスキル【心奪魔眼(マインドバレット)】発現。　ユニークスキル発現により副次スキル【才能開花】習得。　承認致しますか？　承認致しますか？　承認致しますか？』

何度も言うな……分かった。

分かったから。

「承認する…………だからもう静かに死なせてくれ……」

『承認確認。　これより転生の準備に入るため肉体を分解します。　死亡を確認と同時に行使され、ルーアンシスに転生後再構築。　スキルが定着します。　では良い異世界転生を』

ようやく静かになったか。
これで俺もようやく眠れる………………………………。