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竜人
「旦那が先に隠れてくれ。 スラ子は見張っとけよ? ほら、旦那旦那!」
「なんでスラ子なんですぅ!? あっ! ユウトさんにくっつきすぎですぅ!」
エアーズロックの反対側には洞窟の様な小さい穴が空いており、そこにサラマンダーが背中を押して誘導してくれたのだが、背中に違和感を覚える。
ん、この柔らかい感触は…………ありがとうございます!
どうやらサラマンダーが豊満な胸を背中に押し付けながら、奥へと押し込もうとしているが。
俺は敢えて抵抗する。
そりゃあ勿論、この幸せな感触を味わうためさ。
「旦那、胸は大きい方が好きか?」
男ですもの、好きですよ。
そして俺はむっつりでもない。
どちらかと言えばオープンな方だ。
「好きに決まってるだろ? 巨乳は正義だ、ってな!」
親指を立てながら堂々と宣言すると、サラマンダーは嬉しそうにはにかみ、俺の前に可愛らしく出ると、胸を持ち上げ谷間を強調させた。
この魅惑の果実に抗える男は居るのだろう……否!
いる訳がない!
「揉んでもよろしいでしょうか!」
「旦那は変態だな。 でもそういうの好きだぜ? それに知ってるか? サラマンダーって……性欲強いんだぜ?」
ほう、それは素晴らしい。
この見た目ならスラ子みたいにヤバい性交にはならないだろうし、ここはいっちょ童貞を捨てるか……と、言いたいところではあるが、それは後だ。
さっきからデススコーピオンの虫と重機を組み合わせた様な足音が、ズズン、ガサササとエアーズロックの周辺から聞こえてきているのだ。
奴の巨体から発せられる振動で、エアーズロック内の200メートル程の高さにある天井からずっと砂や小石が降っている。
このまま見つからなければ良いのだが……
まあもし見つかっても、大きさ的に入ってこれないハズ…………いや、もしスコーピオンがエアーズロックを攻撃して崩れたりしたら?
きっと生き埋めになってしまう。
やっぱりどっか行ってくれませんか?
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