ミニスラ子

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「んもーですぅ! ……んとですねぇ、スラ子はミニスラ子なんです。 本体のスラ子は身体を千切ってミニスラ子を作ったです。 それでスラ子はミニスラ子を置いて、スラ子の身体を液体にして、スラ子はスコーピオンの背中に乗ったのです」 …………分かり難いわ。 つまり彼女はこう言いたい訳だな。 スラ子はミニスラ子を作って置いていき、スコーピオンにくっついて行ったって。 もっと簡潔に言えよ。 「ーーんぁ?」 ほら見ろ、恐らく余り脳の容量がよろしくないであろうサラが混乱してしまったじゃないか。 まあ一先ずはそのままで居てください。 話が逸れちゃうから。 「そうなった理由は分かったけど、何でそんな事をしたんだ?」 「スラ子とミニスラ子は元々一つですぅ。 なので感覚は繋がってるですぅ。 だから離れていても、現在地が分かるですよー」 GPS……みたいなものだろうか。 ん、ちょっと待てよ? 「それってスラ子本体が残るんじゃ駄目だったのか? もしかして本体の位置しか分からないとかなのか?」 「……どういう意味です? 向こうからも分かってるハズですです」 「だったら本体が残って、ミニがくっついた方が安全なんじゃ……」 スラ子の事だから大丈夫だとは思うが、そっちの方が心配しなくてすむーー 「…………? …………ハッ!」 こいつ分かってなかったよ。 もしかして何か理由があるんじゃないかと勘ぐった自分が恥ずかしいんですけど。 擬人種(アルター)にもちゃんとした思考能力があると思っていたが、やはりモンスターはモンスター。 知能はそこまで高くないのかもしれない。
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