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サラの戦う理由
「そんで旦那は何を聞きたいんだい? あたしのスリーサイズか? なら教えてやろうか?」
「いや、そうじゃないから。 それは後で俺が直々に測る」
「本当に旦那はエロいな! じゃあ、あたしは旦那のあれの長さでも~」
スラ子の能力の一つ。
【追跡】を使い、スコーピオンを追いながらまた話を脱線しかけていると、俺の頭部に乗っているミニスラ子がペチペチおでこを叩いてきた。
どうやら俺達のやり取りに嫉妬しているらしい。
「もぉーっ、ですぅ! そんな話は良いですから、本題を話すですぅ! どうしてサラマンさんがデススコーピオンを倒そうとしているかを話すですぅ! ミニスラ子とスラ子は予想してるですけどですー」
知ってるなら教えろよ。
……いや、本人から聞くべきか。 サラに関わる話なんだから。
「はいはい…… んでサラは話してくれるのか? あんまり話したくないなら無理にとは言わないけど」
「別に隠すような事じゃねえよ。 ……それに旦那に隠し事はしたくないから、話させてくれ。 実はよ……あたしの此処にはペンダントがぶら下がってたんだよ」
胸元にペンダント? 余程大事な物なのか?
にしてもマジで胸デカイな。 Fはあるんじゃないか?
「ユウトさぁん? 何処見てるです!」
「旦那はおっぱい好きだよなー」
「うるさいな。 良いから続きを教えてくれ。 そのペンダントとデススコーピオンと何か関係あるのか?」
「実はそのペンダント、両親の形見でさ」
そう物静かに語るサラの表情が少し曇った。
親の形見か……俺には理解しがたい感情だな。
我が子を迫害する親の持ち物なんて、蟻地獄に投げ捨ててやるわ。
だけど俺の親とは違い、とても尊敬出来る両親なんだろうなと、その顔を見ればなんとなく分かった……のだが。
サラは突然、先程までの暗い雰囲気を払拭する豪快な笑い声を上げた。
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