58人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
……って事は、だ。 俺達がのんびりと歩きながら、話してる間もスラ子は……!
「このバカスラ子! じゃあこんなゆっくり歩いてる場合じゃあ、ねえじゃねえか! 今すぐ行くぞ! 走れ、サラ!」
もう一刻の猶予も無い可能性があり、俺はサラの手を掴み駆け出した。
そんな俺をサラは、愛おしく見つめながら頬を染める。
「お、おう! ……ふっ、旦那は本当に良い男だよな。 あたしらみたいなモンスターに優しくしてくれるなんてよ。 へへっ、惚れ直しちまったぜ」
今はスラ子が心配だ。 サラの言葉にドキマギしている場合じゃない。
場合じゃないのだが……これだけは言わせて欲しい。
「なっんで、真恋状態が表示されてんだよ! しかも、かなり数値膨らんでるし!」
これが視界に映るという事は、サラが俺にスキル外恋愛感情が芽生えた証だ。
なら、どのタイミングで、どの言葉が彼女が恋をするきっかけになったんだ?
どれだけ考えようとも、童貞で恋愛経験など皆無の俺には、答えかど出せはしない。
こんな事になるんならちゃんと恋愛面も勉強しとくんだったな、と頭の角で考えながら広野を駆け抜けた。
最初のコメントを投稿しよう!