魔王になる素質

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魔王になる素質

「むむっ! 本体が近い模様でございますです、魔王様!」 「誰が魔王だ、誰が! 魔王“様〟に謝れ!」 走り始めて15分程。 休憩しながらだがようやく追い付いた所で、スラ子がとんでもない事を口走り始めた。 俺なんかが人間を駆逐する正義の味方、魔王様だなんて申し訳無さすぎるわ。 魔王様に怒られてしまえ。 「ユニークモンスターを二体も連れ回してるんだから、魔王様で良いと思うぞ? あたしは旦那が魔王様なら嬉しいがな!」 「モンスター連れてるってモンスターテイマーか、俺は。 そもそも魔法も使えない、身体能力も並みなのに無理だろ」 「テイマーさんはユニークモンスターをテイム出来ませんですよ?」 そうなの? やっぱりレアモンスターは難しいのか。 「あたしら、ユニークモンスターって幹部クラスぐらいに強いからな」 ちょっと待って。 そんなに凄いの、君ら? あれ、俺のチートってヤバくね? 明らかに量産出来ちゃうんですけど。 しかも幹部クラス作っちゃってんじゃん。 だがそれは結局、チートの力。 俺の力じゃない。 「お前らは強いと思うけど、俺は大して強くないぞ」 「何言ってんだ、旦那。 あんたはユニークモンスターに進化させるっていう魔王様すら成し得なかった偉業を簡単にやってるんだぜ? 俄然魔王様よりすげえって。 もはや大魔王かもしんねえぞ?」 「いやいや、だけどお前らがそう思ってるだけだろ? 他のアルターは鼻で笑うって」 「ユニークモンスターなんて一種族に数百年単位で一匹生まれるかどうかなのですよ? それを二日で二匹もなんて凄いですです! ですから絶対認めてくれますですよ! あっ、そうです! この際、本当に魔王様になられてはいかがです!?」
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