出会いは覚えのない再会

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しばらくして解放されて、少しの安心と少しの物足りなさを感じた。どうしちゃったんだろう、私。 「で、いつまでこんな所に住むつもりなんだ?」 「仕事が決まって落ち着くまで……」 「その仕事が誰かに邪魔されて決まらないんだろ?」 「そう、なんですけど……」 うーん、なんて頬杖ついて何かを考えているみたいで。私はずっと分からないことだらけで。 「分かった。お前俺の別宅に住んどけ。」 「意味わかんないです。」 「そのままだよ、セキュリティちゃんとしてるマンション。俺の別宅。」 「家何個あるんですか?」 「2つしかねえよ。別宅は基本仕事用。」 仕事用……?ホストの人が仕事用? ま、枕営業用ってやつ!? 「いやですいやです、そんなイヤらしいおうちは嫌です!!」 「……勘違いしてるみたいだけど。俺、ホストクラブのオーナー。だから仕事用の書類とかそういう事務的なやつやる時に使ってるだけ。お前が想像してるような事はしてねえわばーか。」
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