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「とりあえず今日の所は帰るけど、お前どうすんだ。護衛も無しにこんな所に1人で住めんのか。」
「気付かなかったの?いるはずだよ、2人。それを条件に家を出させてもらったんだから。」
「いや、マジでいねえぞ。」
「……うそでしょ……ちょっと、ちょっとだけ待って!!!」
「おう?」
鼬が、鼬がいるはずなの。鼬と鼎(かなえ)、黒羽(くろば)と未神(みかみ)どっちかがいるはずなの。12時間交代で常に私を守れる場所にいるはずなのよ。
焦る手は汗ばんできて上手くスマートフォンをタッチできない。鼬の電話番号を出して電話をかけたら2コールで出た。
「鼬、私の護衛、いないの?」
『……お嬢、何言ってるんですか?護衛は要らないと先月突然親父に血判付きの手紙で……お嬢、何かあったんですか!?』
「私……手紙なんて出してない……だから引越しの時家に戻れって言おうとしたの?」
『はい、胸騒ぎがして。親父に伝えてすぐに護衛に戻ります!』
「あ、うん、分かった……じゃあ……」
私は、護衛を要らないなんて、そんな手紙書いた覚えがないし、いつだって命の危険はあるからそこはやむを得ないと思って……そんな……1ヶ月も前から……。まさか、それも、匿名さんの仕業なの?
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