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安っぽい内装の部屋は、それ相応にリーズナブルな値段のラブホテルなのだろう。
掃除は十分行き届いていないようで、部屋の隅には埃が見える。黄ばんだ壁にかかる絵画は色褪せて何だか不気味だ。布団にも毛玉が多くついていて、そこで寝ていたことが信じられない。
そんな有り様であるから、私は絶望的な気持ちで恐々とバスルームを覗く。
本当はこんな所でシャワーなんて浴びたくはないのだが、自分の中に残る忌まわしい残滓をどうにかしないと気が狂いそうだった。
浴室はピカピカと光り輝き、鏡には曇りも水垢もついていない。
水回りだけはまともだったことにホッと胸を撫で下ろす。不幸中の幸いというやつだ。
熱めに設定した湯を頭からかぶり、ゴシゴシと力強く身体を洗っていく。頭皮にも肌にも悪いことだろうが、とにかく今は汚れてしまった身体を殺菌したくてたまらなかった。
一通り洗い終え、最後に残ったそこを清めるのはとても憂鬱なことだ。
シャワーヘッドを外しノズルだけにして、ぬるま湯を出す。
湯が溢れ出す先端を肛門にあてて、直腸へと流し込む。
中に溜まった湯を出すと、それと一緒に不快感は排水口へと流れていく。
何故この私が惨めに後処理などをしなくてはいけないんだ。
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