潜入・諜報

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潜入・諜報

ワンピース姿ではなく兵装で現れた父を見て、流石に安堵した 召集内容は以下 ベイビルド王国がサザンクロス自治区東部付近でドラギラス王国と小規模だが武力交戦の可能性あり この機会にベイビルド王国、ドラギラス王国に潜入 そして戦局を見極めて交戦にも参加する 「現時刻を以てジュニアを大隊部隊付属諜報部隊に任命します」 すかさず諜報部隊長が敬礼で応えた ジュニアもつられるように敬礼した 「父上は君に期待しているんだ。だから先ずは諜報部隊に配属した。やれるね?」 「はい!」 諜報部隊は基本戦わないが色々と勉強になる どのみち青年部隊にいる内は最前線には行けない 「さっそく準備だ」 チーム編成は、ベ国に30人、ド国に45人 各国には既に諜報部が潜入済みで、市井の生活を送っている 入出国が激しければいずれ疑われるから手引き役としても必要だし、彼らが持つ既存情報も受け取る 城砦を抜けてジュニア達はサザンクロス自治区に向かった 砲塔のない戦車の様な装甲車で荒野を進んで行くとやがて砂漠に出る 途中までは父親の指揮する最前線部隊60輌と合同で移動し、ベ×ド戦線が見える手前で別れ、サザンクロス自治区西側に向かう サ自治区は国ではないが広域の自警団がいる そして厳密に言うと敵味方が判りにくいのだ 自治区手前の山岳部に隠す様に車輌を停めた ここに秘密のトンネルがある 息子のいる諜報部隊を見届けたヴァルハラ 先ずは遠巻きに高見の見物をした 「既に両国部隊が接触しつつありますね」 望遠鏡で副長が確認 「このままゆっくり進軍しましょ」 ジュニアは緊張しながら諜報部隊長についていく 暫く歩くと、祠が見えた 隊長が周囲を警戒しながら慎重に祠をずらすと、大人が一人ギリギリ入りそうな穴が現れた 「二名ここに残って祠の復元と車輌の見張りを」 「はい!」 残りの73人がテキパキと穴に入っていくと、中は割と広くてそこから何個かのトンネルがあった その一つがベ国に、もう一つがド国に繋がっているようだ トンネルの入口にトロッコみたいな大きい箱車がある ポンプのような動力源で移動する仕組みのようだ これで二千キロを移動するのだからかなりの労力であるが、交代で五台のポンプを漕いでいけば何とか一日と少々で目的地へ到着できる ジュニアはもやもやした気持ちのまま箱車に乗り込んだ
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