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兵舎食堂の日常 2
翌日
兵舎食堂で少女の対面に座っている男は管理人ではなかった
「大変な思いをしたわね…」
少女はジュニアがア国の諜報部隊員だと知っていると当人に話しており、悪いようにはしないと約束していた
「いえ、昨日は危ないところを助けていただきありがとうございました。まさか父があんな…」
命を助けてもらった恩もある、こちらの素性がバレてるなら捕虜になるだけだし、この少女を信じるしかない
「きっと理由はあるわ、操られてたとか」
「だといいですけど…親父は多分俺を許さないんだと思います」
「と…とにかく今ア国に帰るのは危険だから少しこの国にいて。考えがあるの」
話し込む二人を羨ましそうに見てるのは管理人だ
「ねえ?仲良し?いつの間に?」
横で飯を食う新人兵士が「管理人さんのポジション取られちゃいましたね」と苦笑いした
その時、カイジューダブルが手招きで管理人を呼ぶ
管理人は犬のように尻尾を振って小走りにテーブルに向かった。自分のトレイを持って
カイジューダブルは管理人に事情を話した
昨日、ヴァルハラとの戦闘後、砦門前に漂流者がいたので救護して保護宿舎に預けた…と
そしてジュニアの正体は隠した
管理人は味方になってくれるだろうが立場的に困らせたくなかった
「サ自治区から来たらしいんだけど、入国手続きできる…?」
「傭兵って事なら通るよ、トライアウトあるけど」
「じゃあそれで」
ジュニアの存在は浮いてないし目立ってもいない
それだけ兵士が多いのだ
それと別の話題で持ちきりだった
昨日の落下傘部隊が"例のブツ"をスムーズに持ち去ったという話
「彼らは何故、例のブツの隠し場所を知っていたのでしょうねえ」
(そりゃあ、奴なら分かるわよね、アタシには分からない事も)
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