愛ってなんだ。

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私が落ち着く様にと海が入れてくれたココアを飲みながらiPhoneの電源を入れた。 -進藤 藍- 海の家の前で待ってる。 いつもなら帰って来ないのに今日はなんで 帰ってくる? 嫌だよ、、藍、、。 「海、、、今日はやっぱり帰るね。」 「え?今からですか?」 「うん、、、いつも通り帰るよ。」 「俺が怒ったからですか?」 「違うよ!でも帰らなきゃ、、」 「分かりました。でも、、、大丈夫ですか?」 「全然大丈夫だよ!私には海たんがいるでしょ?」 私はそう言って海に完璧な笑顔を向けた。 「はい、、」 足早に玄関に向かい履き慣れたスニーカーを履く。 「また連絡するね!」 「、、送っていきます。」 「今日は藍が迎えに来てるから、、」 私がそう言うと海は一瞬驚いて悲しそうな顔をした。 海、、、ダメだよ。 そんな顔したらバレバレだよ? 「そうですか、、。分かりました。 気をつけて帰ってください。」 「うん!またね!海たん!」 悲しそうにする海の顔を見ずに私は勢いよく部屋を出た。 バタンと音を立てて閉じる扉はまるで私の心の様だ。 階段を降りて少し歩くと電柱の下によく知った顔。 「よぉ、、海とのSEXは気持ち良かったか?」 「まぁね。そっちこそ本命は大丈夫なの?」 「寝かしつけてきてから来たから大丈夫。」 「イキ過ぎて疲れちゃったかな?本命ちゃんは。」 「累の頭はそれしかないのかよ。」 「まぁね。」 藍が私に手を差し出す。私はその手を掴むと藍は慣れた様に恋人繋ぎをした。 私は藍の4番目の彼女。 藍も私もお互いに恋愛感情はない。 そう、、思いたい。 暗闇に消える恋人繋ぎをして歩く男女を海はベランダから眺めていた。 「好きじゃない、、か、、、累さんの嘘つき。」 海の言葉はまだ暗い空に消えていった。
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