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「さぁ、朝ごはん食べなさい!みんなにも累を紹介するわ。」
忘れてた。蓮さんも優梨さんも誰かの親なんだ。私だけじゃない、、。
私は他人なんだ、、。
また黒い感情が私を包み込み始める。
ゆっくりゆっくりと私にまとわり付いて離れなくなる。
重たい気持ちで階段を降りてリビングの扉を開けた。
「るぅい!るーきた!おはよう!抱っこ抱っこ!」
扉を開けると同時に小さな男の子が私に駆け寄って足元にくっ付いた。
「あっ、、、」
どうしていいか分からなくてオロオロしてると
男の子が寂しそうに言った。
「おはようの抱っこ、、るーは僕が嫌い?」
「ちが、、違うよ!抱っこする!抱っこ!、、、、どうやってやるの?」
抱っこのやり方が分からなくてしゃがんだままゆっくりと男の子を抱きしめる。
あっ、、、あったかい、、。
「そのまま持ち上げたらいいよ。累!おはよう!」
横から話しかけてきたのは私と同じくらいの女の子。
「あ、、お、、おは、、よう、、ございます」
咄嗟に挨拶は出来たけど、、蓮さん似の綺麗な子だ。
「ふふ、、累慌ててる!かわい〜。」
食卓テーブルのイスに座りながら小学生くらいの男の子がそう言った。
「あ、、あの、、」
「るー!僕、柳(やなぎ)だよ!」
しゃがんだまま抱きしめていた男の子がぴょこんと顔を出してそう言った。
「あっ、、あっ、、柳、、くん?」
「柳!!くんはいらないの!」
「あっ、、やなぎ、、」
先程までの黒い感情なんてどこへやら、状況にアタフタしてしまってそれどころじゃない。
「累!私達の子供を紹介するね?」
優梨さんが優しく柳を抱っこして、私はしゃがんだままどうしたらいいか分からずにキョトン顔だった。
「私は長女の楓(かえで)中学3年生」
さっき私に話しかけた綺麗な女の子だ。
「僕は長男の樹(いつき)小学6年生」
椅子に座ってる男の子だ。
「僕は柊(ひいらぎ)樹の双子の弟。」
後ろからパジャマ姿であくびをしながら現れた男の子に私はびっくりしてしまった。
「僕は柳!!」
優梨さんに抱っこされながら柳がそう言った。
「ほら!ご飯運んで!!
私は次女の桜(さくら)中学1年!累も手伝って!」
キッチンから出てきた女の子はお盆を持ちながらそう言った。
「あっ、、は、、はい!」
訳がわからずアタフタしながら言われたまま手伝う。
「累!汁物はこういれるの!」
「は、はい!!」
料理なんてした事もなかった私は今キッチンで人数分の味噌汁をお椀に入れようと必死だ。
「るーへたっぴだね、柳と一緒!」
「あっ、、ごめんね、、」
出された料理を慣れた様に運ぶ柳が笑いながら言う。
「何で謝るの?やった事ないのにできる訳ないんだから、今から覚えたらいい。」
相変わらずパジャマ姿の柊は私から受け取ったお椀を持って言った。
「う、、うん、、」
なんだろう、、、
ムズムズする、、。
ムズムズしてなんだか恥ずかしい、、。
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