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「そう言えば最近彼女とどうなの?」
「あー、、、別れましたよ。」
「え?そうなの?可愛かったのに!」
「なんか、振られました。」
「また海たんの顔だけで近寄ってきた女の子だった?」
「まぁ、、別れたんでどうでもいいです。」
「ふーん。」
ご飯を食べながら何気ない会話をする。
海は彼女の話をしたがらないけど私はあえて海に彼女の話を聞く。
〝私は海を男として好きにならない“
彼女の話を聞く事で私は遠回しに海にそう伝えてる。
「あっ、、」
私が食べていた牛丼を白いTシャツに落とすと海が慌てて拭いてくれた。
「ちゃんと食べなきゃダメですよ!
ほら、ちゃんと容器を持って食べて下さい!」
「海たん、お母さんみたい。」
まるでお母さんの様な事を言う海の言葉に
私は少しだけチクリと胸が痛んだ。
ちゃんと食べろなんて母親に言われた事すら無い。5歳からご飯は一人で食べていたから。
「海ママって呼んでもいいですよ?」
海が意地悪そうな顔をして聞いてくるから私はくだらない思い出を忘れてお腹を抱えて笑ってた。
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「、、、さん、、累さん」
海の声が聞こえて目を覚ますといつの間にやら寝ていた。
「あっ、、寝てた。」
ご飯を食べて海と一緒にベットにもたれかかりながらDVDを観てたはずなのにいつの間にやら海の肩で寝ていたみたい。
「めっちゃ電話なってますよ」
覗きこんで話しかけてくる海のまつ毛を長いなぁと思いながら見ていた。
「今何時?」
「もうすぐ3時ですよ」
「丑三つ時だねぇ」
「寝ぼけてないで電話でた方がいいですよ!
藍さんからです!」
海は私の目の前にiPhoneを出すと画面には
進藤藍と表示されている。
「海。電源切って。」
「良いんですか?藍さん、怒りますよ?」
「藍に言われる筋合いない。今日は帰らない」
私がふいっとiPhoneから目を逸らすとタイミング良くiPhoneの振動が止まった。
海はそのまま私のiPhoneの電源を切った。
「はぁ、、寝るならベッドで寝て下さいね。俺は床で寝るので」
私は基本海の家には泊まらない。一緒に寝たりなんか絶対にしない。
けど、、今日はなんだか心がザワザワする。
いつもなら土日に藍が帰ってくる事なんて無いのに、、。
今日はなんで?
本命ちゃんとなにかあったの?
嫌な過去が頭をよぎったけど、知らないふりをした。
「海も一緒に寝よ?
友達でも一緒に寝たりするでしょ?」
「いや、それはちょっと、、」
「なんで?」
「一応、男なんで、、。身体は反応しちゃうかもですし、、。」
「ふふ、、なにそれ?、、そっかぁ。
海たんも男の子だもんね。」
私がクスクスと笑うと海は顔を真っ赤にして
照れていた。
「笑わないで下さいよ。仕方ないじゃないですか!」
「ふふ、、お腹痛い。、、はぁー、、面白かった。」
ひとしきり私が笑うと海はムッとした顔でこちらを睨んでた。
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