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4月◯日。
「おはよう。ルシェルナ……
あなたは今、何してる?私はボーッと空を眺めてるの。
まだ人通りの少ない朝だけど。
歩道橋の上で朝焼けを見てる。」
『おはよう。オルシア。
僕はホテルから、空を見てるよ。きっと……君と同じ空を。 R』
「……ルシェルナ、少し気になることがあるの……聞いたら、教えてくれる?」
『……答えられることなら。R』
「うん。あのね、ルシェルナ……あなたは男性なの?」
『……どうして? R』
「だって……さっき書いてたでしょ?『僕は』って。だから…気になったの」
『……あぁ。自虐だね。ほんとはもう少し秘密にしとこうと思ったのに。
そうだよ。僕は男だ。……がっかりした? R』
「全然。私は嬉しいよ。
やっとルシェルナに近づけたから。ごめんなさい。ルシェルナのこと……早く思い出したいのに……」
『謝らないで、オルシア。
僕は……思い出してもらう資格なんてないんだ。君を置いていった人間だから。君が思うほど……良い『人間』じゃないんだよ R』
「ルシェルナ……あなたは強くて、綺麗な『人間』なんだと私は思うよ。だって、私に残るあなたの言葉は……強く心に響くの。
だから……お願い、ルシェルナ。そんな悲しいこと言わないで。
ルシェルナ……あなたは私の『生きる意味』なの。あなたは私の大切な人だよ」
『君が思うほど……僕は強くも綺麗でもないよ。でも……そうだね。
君の理想でいられるように、もう少し……頑張ろうかな。
オルシア……忘れないで。
君だって僕の『生きる意味』なんだ。 R』
「ありがとう。ルシェルナ……
それじゃあ、そろそろ私は学校に行くよ。今日も頑張れそう。ルシェルナのおかげだよ」
『僕もそろそろだね。
ありがとう。オルシア……君のおかげで僕は今日も頑張れそうだ。 行ってらっしゃいオルシア。 R』
「行ってきます。ルシェルナ。」
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