目が覚めたらそこは触手エロゲーの世界だった

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コンコンと控えめに扉をノックする音が聞こえてきた。 (この声は、メイドのエリザだな) いかん。シュミーズ姿で自分の顔に見とれている場合ではない。 しかしこの格好はなかなかエッチだな。 「ど、どうぞ〜」 慌てて、ベッドに放り投げていたナイトガウンを羽織って返事をする。 うーん、鼻にかかったような甘い声も可愛いね、俺。 ガチャリと扉を開けて、エリザが中へ入ってきた。 「失礼いたします。朝のお支度の時間でございます」 「そ、そう……よろしくお願いする……わ」 メイドを見ると思わず語尾に「にゃん」をつけたくなるのはオタクの性というものだ。 いや偏見だけど。あとメイドカフェのメイドとガチメイドを一緒にしちゃダメだよな。すまんかった。 しっかし俺の実家のマンションよりデカい部屋に、豪華なベッド。 ボーっと突っ立ってるだけでかいがいしく服を着替えさせてくれる献身的なメイド。 まったく貴族のお嬢さまってぇのは、いいご身分だ。 ──何故俺がこんな生活をしているのか。それは未だによく分からない。
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