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父と息子の絆!
(昼間でも大分キツいけど、夜はもっとヤベエな)
離れへの道を、俺たちはひたすら歩いていた。
アホみたいに遠いのはもちろんのこと、とにかく暗くて不気味なので、心理的なダメージがでかい。
街灯なんかあるわけないので真っ暗で足元はよく見えないし、ついでに言うと周りの様子も把握できないし。
しんと静まりかえった闇にフクロウの鳴き声がやけに大きく響いて、それが更に不穏な空気を醸し出している。
(ホラー映画だったら絶対ここでなんか出てくるとこだよな)
なんて考えてしまう。真夜中でも煌々と明かりが灯っていた前世とは大違いだ。夜ってこんなにも恐ろしいものだったんだな。
「……」
お父様はずっと黙して語らない。
暗くて表情は見えないが、マルコーの境遇について思うところがあるようだ。
(思ってたよりショック受けてるみたいだな)
なんだかんだで血を分けた息子は可愛いってことか。これからもっとショックを受けてもらうけど。
気が遠くなるほど歩いたあと、ようやく離れが見えてきた。
「あ、あの……狭いところですが、どうぞ」
マルコーが扉を開けて俺たちを先に中へ入れる。
足を踏み入れた瞬間、お父様はぎょっとした顔になった。
「……っ!」
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