修羅…場?

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「いかにも自分が伴の本命で、俺をセフレか何かと勘違いしてる、アンタの店のホストが来てるよ。何か俺の立場悪いっぽいからどーにかしてー」 「・・・は?――――――はぁっ?」 美律はそれ以上何も言わず、ただベッドの周りに散らばったままの自分の衣服を拾い集め、それを身に着け始めている。 がばりと布団を捲って起きた響尾の表情は、どことなく焦っているような、けれど9割方怒りで占められているであろう険しいもので。 ムッとしたまま起き上がり、同じく床に落ちた部屋着の下だけを穿き、不機嫌をそのまま表したような足取りと足音で寝室を出て行った。 「――――ケイ!どうしてこっちまで入って来た。いったい何のつもりだ?ぁあッ?」 美律が全ての衣服を身に着け終わって寝室を出ようとしたその時、扉の向こうから今まで一度も聞いた事のない響尾の怒鳴り声と、何か大きなものの倒れた音が空気を揺らした。 「―――ちょ・・!伴?」 慌ててドアを開け、どうやら本格的に不穏な空気が漂っているらしい空間に足を踏み入れる。 そして目に入った光景は・・・想像以上の緊迫した状況だった。
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