948人が本棚に入れています
本棚に追加
/319ページ
「・・・んー・・・?」
あー、昨夜誰かとヤったんだっけ・・・。この体勢であの手の感じだから、まぁ抱かれたんだな、俺。――――と、そこまで淡々と思い返していた美律が、ふと思考を止めた。
“――――くれてやる。全部、お前のモンだ”
そのフレーズが頭の片隅にぽん、と浮かんだ瞬間、美律の肩が大きく揺れた。
「・・・やべ・・。俺――――――」
「――――お前・・朝からブツブツうるせぇな・・・独り言ならもっとちっせぇ声で喋れよ」
寝起き特有の地鳴りのような低い声が耳元で聞こえ、美律は反射的に振り返ってしまう。
「・・・ッ、――――ぁ・・・どーもぉ・・・ハ、ハハ・・」
そして振り返って、一気に甦った昨夜の自身の醜態。―――居た堪れねぇ・・・と思わず引き攣った笑みが浮かんだ。
「・・・どーもじゃねぇよ。まずちゃんとこっち向け」
「・・・ぇ。いや、いいし。てかこの体勢・・何か、恥ずかしくない・・・?」
「――――は?・・・いまさら、だろ」
「な・・・、今さらって・・・」
「いいから、こっち向けって」
「・・・、あのさ」
「―――ん?」
「・・・ゆ、昨夜、のこと・・なんだけど――――」
最初のコメントを投稿しよう!