俺好みの恋人

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「・・・んー・・・?」 あー、昨夜誰かとヤったんだっけ・・・。この体勢であの手の感じだから、まぁ抱かれたんだな、俺。――――と、そこまで淡々と思い返していた美律が、ふと思考を止めた。 “――――くれてやる。全部、お前のモンだ” そのフレーズが頭の片隅にぽん、と浮かんだ瞬間、美律の肩が大きく揺れた。 「・・・やべ・・。俺――――――」 「――――お前・・朝からブツブツうるせぇな・・・独り言ならもっとちっせぇ声で喋れよ」 寝起き特有の地鳴りのような低い声が耳元で聞こえ、美律は反射的に振り返ってしまう。 「・・・ッ、――――ぁ・・・どーもぉ・・・ハ、ハハ・・」 そして振り返って、一気に甦った昨夜の自身の醜態。―――居た堪れねぇ・・・と思わず引き攣った笑みが浮かんだ。 「・・・どーもじゃねぇよ。まずちゃんとこっち向け」 「・・・ぇ。いや、いいし。てかこの体勢・・何か、恥ずかしくない・・・?」 「――――は?・・・いまさら、だろ」 「な・・・、今さらって・・・」 「いいから、こっち向けって」 「・・・、あのさ」 「―――ん?」 「・・・ゆ、昨夜、のこと・・なんだけど――――」
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