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鬱陶しそうな前髪に隠されていた双眸は、誰もが一瞬で惹きつけられてしまうような甘さと強さを湛え、整った鼻梁に、どこか挑戦的な雰囲気を覗わせる上がった口角と、薄いけれど触れ心地の良さそうな唇。健康的な肌の色や、少し扱けたような頬のラインなど、全てのパーツが完璧に男らしさと色気のようなものを纏わせていた。
ステアしたものをグラスに注ぎ、パールオニオンを飾ったそれを静かに男の前に置く。
男は吸いかけの煙草を灰皿に捨て、見た目と裏腹なやけに上品な所作でグラスに口をつけた。
「―――――若い味だな・・・。―――なぁオヤジさん。俺、アンタのギブソンが飲みたい」
美律はその言葉を聞き体中に震えが走る。発火しそうな程頬が紅潮し、全身に怒りが込み上げた。
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