命の花

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「柊月、ごめん!  奇跡の泉の水を手に入れたんだけれど、洞窟で出会った女性に渡してしまったんだよ!」 僕は意識のない柊月に向かって正直に話をした。 そしていつものように柊月の命の花に水を与えた。 僕は柊月のベットの隣で椅子に座って、柊月の命の花を抱きかかえるようにして、何とかもう一度きれいな花を咲かせてほしいと願っていた。 柊月の顔をじっと見つめていた僕は、やるせない気持ちでいっぱいになって涙が溢れて止まらなくなった。 目から溢れ出た涙は、柊月の命の花にこぼれ落ちた。 僕が柊月の命の花を抱きかかえたまま下を向いてうなだれていると、 「壮志」 という小さなかすれた声が聞こえてきた。 その声は柊月の声のようで、僕は夢の中で柊月に声をかけられたような気がしていたけれどまた、 「壮志」 という声が聞こえてきた。 僕は慌ててベットで寝ている柊月の顔を見ると、柊月が目を開けて僕の方を見つめていた。 「柊月、気が付いたの?」 僕が立ち上がって柊月の顔を見ると柊月は少し笑顔になって、 「ここはどこ?」 と言ったので、 「病院だよ!  柊月は3ヶ月くらい前から入院していて意識がなかったんだよ!」 と柊月に落ち着いて説明した。 僕はふと手に持っていた柊月の命の花を見ると、みるみる花が咲き始めた。
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