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(いったいここはどこなのだろうか?)
そんなことを考えていると、僕の目の前が急に光りはじめて、その光の中から白い布を全身にまとった美しい女性が現れた。
その女性は、優しい口調で話し始めた。
「よくここまで来ましたね!
ここに来た人間は、貴方が初めてです。」
僕が周りを見ると一緒に洞窟に入った莉生さんの姿が見当たらなかった。
僕はその女性に、
「僕は奇跡の泉を探しています。
僕と一緒に1人の女性がこの洞窟に入ったはずなのですが?」
と話をするとその女性は、
「ここが奇跡の泉です。
ですが、水は湧き出ていません。
一緒に洞窟に入った女性は、途中で振り向いてしまったようです。」
と教えてくれた。
僕が少し落胆して恋人の柊月の病気のことを話すと、
「このコップに水が入っています。
この水を全て命の花に与えれば、貴方の恋人は助かります。」
と話してコップを差し出してくれた。
「一緒に入った女性のお母様も助けたいのですが、もう少し水はありませんか?」
と僕が正直に質問すると、
「水はこれしかありません。
また、この水を半分に分けて命の花に与えても、貴方の恋人は助かりません。」
と教えてくれた。
僕はこの水をいただいて、自分が用意した水筒に入れた。
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