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「心残りとしたら、孫の花嫁姿が見られそうにない事ぐらいですかねぇ…」 中学生の時から私を育ててくれた祖母が、お医者さんに余命宣告をされた時の言葉が、頭の中にずっと残っている。 まだまだ、ずっと元気でいてくれると思っていたお祖母ちゃん。 余命宣告をされてからも普段と変わらない様子だったから、もしかしたらこのまま大丈夫かもしれない、なんて思っていた自分を心底呪いたい。 「痛みはどう?お祖母ちゃん。」 「痛み止め飲んでるから大丈夫だよ。」 「そっか。良かった。無理しちゃ駄目だよ?」 「はいはい。」 一昨日よりもだいぶ楽そうで良かった。 お祖母ちゃんが痛いって言いだした時は、本当にどうしたらいいか分からなかったから。 「——長くても、後3か月ぐらいかもしれません。」 慌てて連れてきた病院で言われたのは、絶望的な宣告だった。 後3か月でお祖母ちゃんがいなくなる…? 「痛みも出てきていますし、緩和ケアが行えるホスピス病棟に入院されてもいいかと思いますが、どうされますか?」 自分が仕事でいない時に、お祖母ちゃんに何かあったら… そう思って、入院はあんまりしたくないって言うお祖母ちゃんを何とか説得した。 「花嫁、か…」 結婚なんて、早々簡単に出来るもんじゃない。 現に私は今恋人すらいない。 でも、何とかしてお祖母ちゃんに見せてあげることは出来ないかな。 最後に、お祖母ちゃん孝行したい。
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