21話

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無事に披露宴も終了し、明日からの新婚旅行に向けてホテルの部屋に戻った。 「疲れたんじゃないか?」 「少し。」 でも、幸せな疲れだと思う。 「明日も朝早い。俺は仕事の最終確認をするから、先にお風呂に入ってくるといい。」 「じゃあ、お言葉に甘えて先に入っちゃいますね。」 和暁さんは、明日からの旅行のためにここ最近かなりハードワークだった。 今からきっと、自分がいない間の指示を細かく結城さん達に出すんだろうな。 「はぁ~…気持ち良かった。」 「出たか。…知亜希、ここへ。」 示されたのは、和暁さんの足の間。 …そこに座れって事? ちょっとだけドキドキしながら行くと、後ろ向きに座らされて抱きしめられた。 「和暁さん?どうかしました?」 「…控室で慎也と何を話してたんだ?」 「まだ気にしてるんですか?」 「あいつの事は信用してるが…」 ”相当独占欲が強いし、過保護だ” 結城さんの言葉を思い出して、和暁さんを振り返る。 「和暁さん。」 「ん?」 「私は、和暁さんの事を愛してます。」 「…分かってる。知亜希の事は信用している。…ただ俺が不安なだけだ。大切な存在が出来ると、幸せと同時にこんなに不安になるもんなんだな。」 「…私だって不安ですよ?だって和暁さんモテるから。いつかのパーティの時みたいに誘われる事だってあるだろうし…」 「俺は知亜希以外に興味はない。」 「はい。信じてます。私だって、和暁さん以外に興味なんてありませんよ。」 だから心配することなんてないでしょう? 「…そうか。そうだな。」 気持ちが伝わったのか、抱きしめる力が強くなった。 「知亜希。…愛してる。」 「私も…」 少し甘えるように触れてくる唇を受け入れる。 何度も触れてはまた離れて…それを繰り返している内に、お互いの体が熱を持ち始めた。 そのまま優しくベッドに寝かされて、大事そうに触れられる。 和暁さんと結婚出来て、本当に良かった。 その思いが伝わるように、目の前の大切な人を抱きしめる。 …ねぇお祖母ちゃん。 お祖母ちゃんが居なかったら、和暁さんとは出会えてなかったかもしれないね。 辛いこともあったし、始まりは契約結婚だったけど… 今は凄く幸せだよ。 和暁さんと、期限のこない新しい契約を結んだから…一一一 ーーーENDーーー
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