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「…結城。誰も社長室に入れない様に鍵をかけろ。」
「かしこまりました。」
鍵を閉めて戻って来た所で、プライベート用の話し方に変更する。
「…慎也。詳しく話せ。どういうことだ。」
「俺にもよく分からねえな。どこからバレたのか…」
「契約結婚であることは、俺達以外にはお前しか知らないはずだ。」
「…彼女が誰かに話した可能性は無いのか?」
「知亜希が?…そういえば、仲良くしている同期の女子社員がいるようだったが…」
「同期の女子社員ね…上辺では仲良くしているように見えて、腹の中では何考えてるのか分からねえのが女同士だからな。」
「だが、そんな噂を流したところでその女に何のメリットがある?」
「さあな。」
例え今は知亜希の事を特別に思っていたとしても、始まりが契約である以上偽装と言われればその通りだが…
「…少し様子を見るか。何かあれば報告してくれ。」
「分かった。」
早く帰って彼女と一緒に過ごせたらそれでいいと思ったんだが…
まさかこれが最悪な誕生日の始まりだとは思ってもいなかった。
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