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 少年の名はシドといった。  7、8歳くらいの幼い見た目で、大きな緑の目が印象的ではある。  特に感情の見えないその目でシドはただじっと同じ場所を見つめていて、やっと動いたかと思えば無言で手のひらに乗せた種を見せて相手が受け取るとにこりと笑って去って行った。  同じ場所には現れない。  そして、その種はなぜか受け取らなければならない気になって、必ず育てようと思ってしまう。  だが、なぜか芽は出ないという。
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