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光を受けた女の白いポットからは芽が出て、小さな紫の花を咲かせた。
スミレ……『謙虚』『誠実』『小さな幸せ』
「課長!契約取れました!」
「本当!?おめでとう!!いつも遅くまで頑張っていたもの。今日は早く帰ってゆっくり休みなさいよ!」
「はい!課長も……いつも引き留めてすいませんでした!今日は猫ちゃんと甘々な夜を過ごして下さい」
「うるさいわよ」
笑いながら机の上にある写真を見つめる。
ニャーと鳴いて擦り寄ってくるその姿を思い出して、胸をキュンとさせながら女はイスに座ってその写真を撫でた。
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