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光を受けた男のシンプルな植木鉢からも芽が出て、白い花がいくつも集まって大きな房のような花を咲かせた。
ライラック……『思い出』『友情』『青春の喜び』『無邪気』
「一緒にケーキ食いに行かね?」
「ん?ケーキ?」
「別にコーヒー飲んでるだけでいいよ?」
友人の後ろから彼女が顔を出してにこっと笑う。
「どういうこと?」
男が首を傾げると、2人は顔を見合わせて笑った。
「俺たちから心ばかりのお礼?」
「は?」
「私の友達と一緒にお茶しに行こってこと」
「ん?」
「女友達から始めね?お前、実は俺に譲っただろ?」
友人に小声で囁かれて男はびっくりしたように友人を見る。
フッと友人が笑うと男も笑って伸びをした。
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