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光を受けた男の花壇でも芽が出て、白に中心から紫が広がったアサガオのような一重の花が咲いた。
ペチュニア……『あなたと一緒なら心がやわらぐ』『心のやすらぎ』
「上手になったわねぇ」
微笑む妻にシュルシュルとりんごの皮を剥きながら男はハハッと軽く笑う。
「そりゃ、ここでしょっちゅう剥いているからなぁ」
「最初はタオルさえどこにあるのかもわからなかったのに」
クスクス笑う妻にりんごをフォークに刺して渡すと、男は芯だけを取ったまだ皮のついたそれにかじりつく。
「あらまぁ」
「うまいよ?」
もぐもぐと口を動かして笑うと、妻もシャリッと口に入れて小さく微笑んだ。
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