8人が本棚に入れています
本棚に追加
あの光が飛び散った日、少年が渡した種は至る所で一気に芽が出て花が開いた。
どの花も春の陽を受けてキラキラと輝いている。
「シド?見えるか?」
老人が空を見上げて呟くと、ふわりと暖かい風が吹き抜けた。
色とりどりの花が揺れて甘くて優しい香りが広がる。
少年の渡した種は少年の一部だった。
そして、少年の光によって芽を出し、花となって……受け取った人はみんな笑顔で前を向いた。
明るい笑い声は至る所で響き渡り、周りも一緒に笑顔にする。
最初のコメントを投稿しよう!