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気づいたら道路を歩いていて、手に握り締めていたちょっとよれたエコー写真を見て立ち止まる。
どこかに先生が見落とした赤ちゃんが居るんじゃないかと何度も見るが、袋と前に教えられたその中に見えるのは黒く不気味に見えるそれだけ。
ショルダーバッグにエコーをねじ込むと、すぐ側にあった公園に入った。
お昼時の公園は小さな子供と親たちの姿も消えて少しひっそりとする。
ベンチにはサラリーマンがコーヒーを飲みながら何やら書類を捲っており、見渡してみても他に座る場所はない。
家に帰る気にはならないが、早退をした以上会社にも戻りたくない。
仕方無しにブランコに座ると少し漕いで足を浮かせてみた。
キィッという音を聞きながらわずかに変わる景色を眺める。
他には誰も居ない滑り台と謎の動物の乗り物があるだけの小さな公園だ。
サラリーマンもちらっとこっちを見てまたすぐに書類に視線を戻した。
一度足を着けて勢いを着けてまた漕いでみる。
予想以上のスピードに軽く酔いながら体を仰け反らせて空を見上げた。
泣き出しそうなその空を見上げながらグッと歯を食いしばる。
いつの間にか勢いを失ったブランコはぺたんこ靴でも引っかかるくらいになって停まった。
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