天使の羽

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天使の羽

いらっしゃいませ。ようこそラプラス書房へ。 すみませんね。今は本棚を整理中でして、かなりごちゃついておりまして。 あ、「なくしたもの」をお取り置きのお客様ですね。 はいはい。こちらにございます。 「天使の羽」です。 あなたが人と恋をするために千切って捨てたものですね。 赤く染まっているのは、あなたが背中から引きちぎった際に流れた血で汚れたためです。 こちらで落とすこともできましたが…。 …そのままでよろしいんですね。 いえ、お気持ちはわかります。 血を流すほどの痛みを享受してまで愛したいと願った人がいたという、証拠であり、思い出ですから。 ちょっとお待ちください。いま、お包みしますから。 そのままでいい?ここでつけていく? ええそれなら、どうぞ。 はい。お代は3ドル50セントです。 え?あの人と最後に飲んだコーヒーと同じ値段、ですか。 偶然ですねえ。 それでは、気をつけてお帰り下さい。 うっわ!わあ!羽ばたきで、ほ、ほこりが…!
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