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「そういえば、僕が来るまで何してたの? いつもこの時間一人?」
突然の質問に、沢辺さんは目をぱちぱちさせた後、上半身を起こしながら答えた。
「うーん、何してたって聞かれても……窓の外眺めたり、本読んだり? あとは友達と適当なやりとりしたり、かなあ」
「え、沢辺さんってSNSとかやってるの?」
「うん」
思わず即座に訊き返してしまった僕に対し、彼女は当然だというように軽く頷いた後、少しだけ首を傾げた。
「もしかして意外だった?」
「……まあ」
「ええ、そう? 私結構使ってる方だと思うな。見る?」
「え? 僕が見て大丈夫なの?」
正直言って、特に仲の良さそうな人を見たことのない沢辺さんの友達、というのが一体どんな人なのか、気にならないといえば嘘になる。とはいえ、第三者の僕がやりとりを見せてもらって大丈夫なのだろうか。
「平気平気。見られて困るような話してないし。悩み事とか愚痴とかじゃないから」
僕の心配を他所にそう言うが早いか、彼女はさっとスマートフォンを取り上げると少し操作してから僕の机に置いた。
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