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私が彼に会ったのは一年半前。
当時、私は社会人一年目。右も左もわからずに働き始めた春があっという間に過ぎ去り、そこそこ慣れてきたことで逆に自分の不出来さを痛感していた夏の終わりでした。
太陽の下で上を向くひまわりとは逆に、蛍光灯の下クーラーの効いた部屋でうつむくばかりの私を救ってくれたのがこれからお話する彼です。
私と彼の出会いは、友人の紹介でした。
「ちょっとだけのぞいてみたら?」という友人の勧めでのぞいたガラスの先から笑顔を向けてくれる彼に、私は一目で恋に落ちました。
しかしあの頃、彼にとって私はまだそれほど特別な存在ではなく、毎日地道に、彼の心に少しでも近づけるようにと頑張ったことを覚えています。
彼を形容するならば、それはもう『イケメン』の一言に限ります。
とにかく見た目がかっこいい。
まぁでも見た目イケメンだったらそこそこいますよね。しかし彼のすごいところは性格までイケメンなところです。
こちらへそっと差し伸べられる手、ほしいときにほしい言葉を与えてくれる気遣い。与えられるばかりかと思えば、大事な場面ではちゃんと私に選択させてくれる優しさ。
たとえ私の心が揺らいで後から選択を変えてしまっても、嫌な顔一つせずもう一度そこから付き合ってくれるんです。
何度も付き合わせて申し訳ないと思うものの、その度に垣間見る彼の新しい一面についドキッとしてしまう自分がいたりもします。
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