焦るクラゲ王子

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「晶おまたせ!この後予定ないならご飯食べて帰ろ?」 「うん。でも行きたいところがある!みーちゃん付き合って!」 ランチの前に雅を伴って出向いたのはスポーツショップ。 そしてスイムキャップとジム用の水着を買った。 「いきなりどうしたの?まさか今から泳ぐ練習始めるの?」 ランチのパスタを食べながら雅が改めて質問する。 雅の記憶では、中学生まで続けていたダンスを辞めてから晶がスポーツに取り組んでいた記憶はないし、第一泳げないはずだ。 「泳がない。歩くの!」 「突然どうしたの?」 「ダイエットする!」 「デザートまで頼んでなかった?」 「食欲は抑えられないから運動するしかないじゃん。」 パスタをもくもくと口に運びながら晶がため息をつく。 「なんでまたいきなりダイエット?」 「婚活始めないと。もう27だもん。みーちゃんのウエディングドレス見てたら猛烈にそう思ってさ。」 晶の発言に雅は少し眉を顰めた。 「晶って付き合ってる人いないの?」 「いたら婚活すると思う!?しないよ。いないからするんじゃん。」 そして更に眉を顰める。 自分の認識が間違っていたのか?と。 「みーちゃんみたいにスタイル良くてキレイだったら私だって焦らないよ!」 「見た目で結婚相手を選ぶ訳じゃないでしょ?」 「そうは言っても最初は見た目から入るじゃない?普通。」 「いや、晶の事知ってる人がもう既に晶の事良いと思ってるかもしれないよ?」 「えー!?絶対にない。役所じゃもうお局扱いだもん。今更役所ではない。」 「職場以外とかは?」 「職場以外行かないもん。」 「同級生とか?」 「琥太郎に聞いてみなよ。アイツら私を女と思ってないから。みーちゃんも知ってるでしょ?」 「なにを?」 「週刊誌に撮られてもファンが安堵する唯一の女だよ?私は。」
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