番外編 くらげ姫の正義感と後悔

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「ちょ!んっ・・っあ!こたろっ!ちょ」 「あぁ堪んねぇ。」 いつもと違う大きなベッドで、真っ昼間からこんな事してるって言う事実だけで興奮するって言うのに。 蕩けた顔して涙目になってるくせに、口先だけは必死に抵抗したりして。 そのくせ体はもうちゃんと反応してて、中途半端にかかったままの下着越しでもしっかりと主張するその頂に誘われるがままにしゃぶりつく。 乱れた呼吸に混じる甘い吐息と抑えきれない控えめな喘ぎ声に、もう完全に理性は焼き切れた。 「煽んなバカ!」 「煽ってなんか、んんっ!」 「すんげぇエロい顔。」 「やぁ・・・」 「目ぇ開けて!こっち見ろ!」 「はぁ・・ああっ!」 「俺だけ見てろ!他の奴なんか見んな!」 「見てな・・んんっ!」 「もう絶対に俺の前以外であんな服着るなよ!分かった!?」 「わかっ、あっ!あっ!」 「こら、ダメだよ。我慢して。お仕置きなんだから。」 「はぁぁっ!」 「そんな可愛い顔してもだめ。」 「あ、あっ、あっ!」 「俺以外にあんなエロい姿見せた罰。簡単にはイかせないよ?」 「んんっ!っあぁぁ!」 「だからダメだって。ちょっと休憩しよっか?」 「いやぁ・・お願い・・」 「フロントに電話しないと。だから声我慢してね?聞こえちゃうよ?」 休憩って自分で言ったくせに、ベッドサイドの固定電話でフロントと会話しながらもその手は止まる事はなくて。 晶に出来る事は顔を背けて必死に声を押し殺すだけしかない。 ぎゅっと腕を顔に押し付けて、涙目で必死に睨みつける晶がやたらと可愛くて、フロントマンが何を言っていたのかなんて聞いてはいなかった。 あぁ、可愛い。 本当に本当に可愛い。 蕩けた顔して怒ってる。 でも、ほら。 気持ち良くなって来ると途端に縋るような目。 そりゃそうだよな。 焦らされて、焦らされて、多分そろそろもう限界だよな。 あぁ、やばい。 焦らされてるのは俺の方なのに。 晶が可愛すぎてこの意地悪をやめられない。 何もしてないのに俺の方がイキそう。 やばいな。これ。マジでやばい。 一旦休憩が必要なのは俺の方だわ。 「晶、もう1泊取ったから先に風呂入ろうか?」 体をくの字に折り曲げて、はぁはぁと浅い呼吸を繰り返しながら、モジモジと膝を擦り合わせる晶から無理矢理視線を外す。 襲いかかりたくて堪らないけど、今そんな事したら確実に秒殺されるのは俺の方だし。 流石にそれはカッコ悪過ぎる。 とりあえず風呂で一回。 少し晶を休ませて。 その後はゆっくり、じっくり、嫌ってほど。 昨日出来なかったデートもしたいから、夜景を見ながらルームサービスで飯を食うか、ちょっと良いレストランに出向くか。 早めに切り上げて第二ラウンドを始めないと。 晶は仕事を休むなんて言わないだろうし。 いや、待てよ? あの件で晶だってもう仕事に行きたくないって言ってたし。 行けばあのエロい姿を思い出す奴もいるだろうし、そんな事考えただけでも反吐が出る。 とりあえずは休ませるか。 いきなり退職は無理にしても、上手く誘導すれば休むくらいなら。 自分を落ち着かせる為にも少しインターバルを取って、これからのスケジュールを練りながら風呂を溜めたり飲み物を用意したり、あれこれ準備してからベッドルームへ戻る。 「晶、お前、腹減ってる?」 そう言って徐にに上げた目線の先には、黙ってシャツに袖を通す晶がいた。 「えっ?ちょ!何してんだよ!」 慌てて駆け寄って掴んだ腕。 晶は涙目のまま琥太郎を睨み付けて、腕を掴む手を振り払った。 「えっ!?」 「触んないで。」 「え?ちょ!晶?」 「やめて。触らないで。私1人で帰る。」 「は?ちょ、待てって!いきなり何だよ!」 「琥太郎なんか嫌い!大っ嫌い!」 「え・・・」 伸ばした手を避ける様に身を捩って逃げ出した晶の背中に慌てて無我夢中で飛び付いた。 「やめて!離して!きらい!琥太郎なんかきらい!」 明らかな涙声に焦って晶の体を反転させたら、晶は大粒の涙をポロポロと溢していた。 「えぇ!?何で泣いてるんだよ。」 「もぉやだ!離して!琥太郎なんか大っ嫌い!」 「ダメ。離さない。あと嫌いって言わないで!嘘でも言っちゃダメ!」 「嘘じゃない!嫌い!大っ嫌い!」 「ごめんね?本当にごめん!嫌だった?」 「あんな、いじわる、嫌に決まってる!」 「ごめんって!もうしない!絶対にしないから!だから嫌いって言うの撤回して?ね?」 「いじわるする琥太郎は嫌い。」 「意地悪しない俺は?」 「いじわるしない琥太郎は・・・」 「俺は晶が好きだよ。愛してる。晶も俺の事好きでしょ?ちゃんと言って?」 「・・・・・」 「ちゃんと好きって言って。お願い。」 「・・・・・」 「本気で嫌いになっちゃったの?違うよね?ねぇ早く好きって言って!」 「・・・き・・けど・・・」 「聞こえない!ちゃんと言って!ねぇ!俺死んじゃうよ!?本当に!晶に嫌われたらマジで死んじゃうから!」 「すき・・だけど、いじわるする琥太郎は嫌い!」 「だって晶可愛かったんだもん!すっげー可愛かったんだもん!でもごめんね。もうしない。だから許して。仲直りしよ?ね?」 「スッゴク辛かったんだから。」 「ごめんね。ごめん。」 「もうしないなら・・・いい。」
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