番外編 くらげ姫の小旅行

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「ん・・・」 あぁ迷う。本当に。 起こすべきか。 このまま続けるべきか。 「んっ・・・」 あぁたまんねぇ。 無意識で反応する姿に余計興奮する。 「んんっ・・・」 あぁヤバい。 待てが効かない。 めちゃくちゃにキスしたい。 もっとちゃんと触りたい。 もういいかな。 いいよな。 外はまだ暗いけど。 一応時間的には朝だよな。 「んっ!んんんっ!!!」 朝までマテ。 朝までフセ。 朝までステイ。 そう念じながら無理矢理目を瞑ったからか。 はたまた久しぶりに晶を抱き締めてぐっすり眠れたからか。 バチっと目が開いたのは4:47。 うん。ダルさもないし熱もない。 念の為晶の体温も測ってみたけど大丈夫、平熱。 ダウンライトだけ点けて再びベッドに潜り込む。 晶は全く起きる素振りもない。 ちょっとだけ。 まだ早いし、起こしたらきっと怒るし。 だから本当にちょっとだけ。 パジャマの上から晶の体に触れて、彼女の香りが一番濃厚な首筋あたりに鼻を擦り寄せて口付ける。 無意識的に身を捩って寝返った彼女を今度は後ろから抱き締めて、髪をどけて頸に擦り寄ったら指先が柔らかな膨らみに触れた。 あぁ、直接触りたい。 だけどそんな事したら流石に起きちゃうだろうし。 だけど触りたい。 頭がおかしくなるほどに。 誤魔化すように指先を彷徨わせて、ウエストラインを撫で付けていたら、偶然。 本当に偶然に指先がウエストゴムの中に入ってしまった。 いや、本当に偶然にね? ツルツルした下着の感触を楽しんで、ヒップラインから太ももの触り心地を堪能していたら、ピクリと晶の体が反応を始めた。 そして冒頭へ戻る。 もっとゆっくりたっぷり眠る晶を堪能するはずだったのに。 辛抱は10分と持たなかった。 あまりにも早かった我慢の限界。 背中を向けて寝ている晶を仰向けに転がすと唇に食らいついて無理矢理歯列を割って舌をねじ込んだ。 「んんんっ!!んーっ!!!」 無理矢理叩き起こされた同然の晶は多分何か文句を言ってるんだろうけど。 絡みついた舌では言葉にはならない。 そうこうしている間にパジャマのボタンは外されて、遠慮を捨てた大きな手のひらが柔らかな膨らみを覆う。 パシパシと乾いた音を立てて琥太郎の腕を叩いていた晶の手は頭上に縫い付けられた。 「琥太郎!」 「おはよ。」 「ちょ!ストップ!ストップ!」 「無理。もう限界。」 「待って!一回待って!」 「待てねぇって。」 「まさか起きてたの!?寝てない!?」 「ちゃんと寝た。ぐっすり。ね、もういいだろ?」 いや!良い訳がない! 今何時なの? だって今日も二公演あるんだよ!? 「琥太郎!待って!」 「もう待てねぇよ。本当はもっとじっくりしたいけど、それは今夜の楽しみにしとく。」 「だって仕事!仕事でしょ!?」 「そ。だから時間勿体ないし、今は、ごめんな?」 えっ? 何?ごめんって! モンのすごく嫌な予感しかしない! 「ちょ!こた・・んんっ!」 もう待てない。1秒たりとも。 本当はこんなやり方はしたくないんだけど今日は仕方ない。 明日は朝から!って宣言したのは晶なんだから。 責任は取って貰わないと。 晶はハードな舞台の前に体力を使うなって言いたいんだろうけど、舐めてもらっちゃ困る。 体力には自信があるし、何なら早朝のトレーニングだと思えば。 朝セックスすると体に良いって誰か言ってたし。 何とか俺を止めようとジタバタする姿はかわいいけど、タイムリミットがある今はそれを堪能している暇はない。 晶は怒るかもしれないけど、もう何度抱いたかも分からない晶の体は知り尽くしてるから。 実は晶のスイッチを入れるのは容易い。 いつもは乱れる彼女の姿を堪能したいから敢えてゆっくりじっくり高めて行くけど、今日だけは。 確実に彼女の良いところと弱いところだけを攻め立てて、あれだけ騒いでいた彼女が言葉にならない甘い声で啼きはじめたのはあっという間だった。 「いいよ、声、我慢しないで聞かせて?」 「だって、聞こえちゃ、あぁぁんっ!」 「かわいい。もっと啼いて。」 荒い息遣いと鼻に抜けた甘い啼き声に理性なんか簡単に吹っ飛んだ。 長い禁欲と昨夜たっぷりと焦らされたせいで質量が増しているのはどうしようもない。 圧迫感にぎゅっと眉を寄せた彼女の苦痛の表情に背中がゾクゾクして、多分また質量が増した。 「ごめんな、2、3回出せば治るから。」 「んんっ!あっ、そんなに、むり、あっ!」 「大丈夫だよ、ずっとナカにいる。」 「ちがっ、あっ!」 「きもちーね?ずっと、気持ち良いままに、してあげる。トブ暇ないくらいに、ね?」 「いやぁ・・!」 結婚して、いつ子供が出来てもいい状況になって、いちいち装具を付けたり外したりする手間がなくなったのはマジでデカい。 その一瞬の間に晶が寝落ちするのを防げるし。 ずっとひとつでいられるのは控えめに言ってマジで最高。 「マジでいくらでも出来そう。時間足らねぇな。」
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