2人の夢

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「お待たせ」 周りの生徒が次々と席を離れて慌てるように帰って行く 俺達も教室を後にして、2人で並んで歩く 「お前、よくあんな内容分かるね。ちんぷんかんぷんな記号に俺は???だったのに」 「俺だって一応情報工学科の学生を1年半やってきたからね、お前だって俺の知らないこと、沢山勉強してるだろ。 でもさ、今日は隣に健人が居てくれてたからいつも以上に集中できた」 「陸、家で課題とか持ち込まないだろ?テスト勉強も。なのによく授業受けるだけでそこまで頭に入るな」 「授業を真剣に聞いてたらだいたいわかるもんだよ。健人は授業中ぼーっとしてるからなー」 「し、してねーよ・・・でもなんであそこまで真面目に授業 受けんの?」 「家で課題やる時間があるくらいなら、健人とゆっくり過ごしたい。テスト勉強するくらいなら、健人の勉強見てあげたいし健人が勉強に集中できるように夕飯の準備とかお風呂沸かしたりしてあげたい。おれ、お前を中心にしか考えられなくなってんだよ。課題も大学にいる間に終わらせれば、健人といる間、健人の事しか考えなくて良くなるから」 「へ、へー・・・」 「何その反応。照れてんの?」 照れるに決まってんだろ。陸が俺のために考えてくれてるなんて、俺は嬉しくて幸せすぎてくすぐったい 「健人は気にせずに家で課題とか勉強とかしてもいいからな」 「・・・俺も授業真面目に受けて、課題も大学で済ませるように頑張る」 「うん、空いた時間イチャイチャしよーぜ」 「そ、外だから・・・あまりそーいうこと言うな」 「・・・可愛い、キスしていい?」 「外だからっ!」 「ん?」 「ん?じゃねー!」 俺は陸にからかわれながら 今日も2人で並んで歩いて帰れるこの貴重な時間を 幸せに感じた。 俺達はそれぞれやる事が増えて 段々昔のように1日中一緒にはいられないけれど 1日の中で一緒にいられる時間はちゃんとあって それは誰にも邪魔されない2人だけの時間だから その時間を大事に過ごしたい 陸がその為に授業に真剣に取り組んでいるのを見て 俺も頑張ろうと思った
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