残る三本柱

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残る三本柱

「あと三人もいるのか」 「姫のためにも」  そこで一人の女剣士に会う。 「君たちはどこかに行くのか?」 「あ、はい。姫を助けに」 「姫? じゃあ、君がアルマーか?」 「そうです」 「なら、加勢してあげよう」 「いいんですか?」 「ああ。私もこの奥に用があるんでな」 「そうですか。よろしくお願いします」 「三本柱か。かなりの強敵だぞ。ゴーレム以上にな。魔法も使ってくる」 「あなたは大丈夫なんですか?」 「私は騎士だが、魔法も使える。勇者といったほうがいいか」 「すごいですね」 「そういえば、名前を言ってなかったな。私はマリーナだ」 「マリーナ? どこかで聞いたような」 「忘れるのも無理はない。かなり前に会って少ししか一緒にいなかったからな。は」 「あ、あの時は・・・」 「知ってたのか、アルマー」 「ああ。彼女、マリーナは小さいころから共に鍛錬してきた仲間なんだ。心も通い合った時もあった」 「おいおい。過去形はやめてくれ。私は今もそう思っているぞ」 「想い人なんですか?」 「そうだ。またアルマーと会えてうれしい」 「俺もだ」 「それでだ。やつらはこの奥にいる。準備はいいか?」 「もちろん」  マリーナが仲間になった。 『ぐわっはっは。ゴーレムを倒したくらいでいい気になりおって。私たちが相手になってやる』 「来るぞ」  大魔術師・魔王のしもべ・暗黒邪心像が現れた。 「一気に三匹?」 「怖気づいたか、小僧? 聞いた通りの腑抜けだな」 「なんだと!」 「落ち着け、アルマー!」 「すまん」 『これでもくらうがいい!』  大魔術師は灼熱の炎を吐いた。 「ぐわっ」 「いきなり強烈だな」 「行くぞ、みんな!」 「待ってたぞ!」 「これでもくらえ!」  タツが爆発魔法を唱える。 「なかなかやるではないか」 「はあ!」 「ぐっ。女剣士め。不意打ちとは汚い」 「言ってろ」 「動けなくしてやろう」  暗黒邪神像は怪しい霧を振りまいた。アルマーには効かなかったが、仲間が眠ってしまった。 「そんな」 「死ね、小僧!」  魔王のしもべは死の呪文を唱えた。しかし、効かなかった。 「なぜだ!」 「一辺倒か? ひどいじゃないか」  アルマーは剣から氷を作り出し、投げ飛ばした。 「少しはやるようだな」  仲間が目を覚ました。 「いいだろう。本気を見せてやろう」  大魔術師たちが合体魔法を唱えた。なんとデビルキングに変身した。 「なんだ、これは」 「ここからが本番だ。気を抜くなよ」 『くらえ!』  デビルキングは闇魔法を唱えた。アルマーが弱体化した。 「やばい!」 『遅い! 死ね!』  デビルキングの攻撃。痛恨の一撃がアルマーに当たり、アルマーは死んでしまった。 「アルマー!」 「ぐわっはっは。どうだ、われらの力を思い知ったか?」 「闇魔法はかなりの魔力を使う。もう、そこまで魔力はないはずだ」 「知っていたか。女騎士も葬ってやろう!」  デビルキングが闇魔法を唱えた。しかし、跳ね返され霧散する。 「効かないか」 「こっちから行くぞ」  マリーナが神属性究極魔法を唱える。周囲の邪気が浄化され、敵の魔力が弱まった。 「そんな魔法を使えるなんて!」 「彼のおかげだ」  そのころ、タツが復活魔法でアルマーを蘇らせた。 「覚えていたんだな、マリーナ」 「もちろんだ」 「力を貸してくれ」 「いわれるまでもないよ」  二人は手をつないだ。 「受けてみるがいい。この力を」  アルマーが呪文を唱える。マリーナの魔力がアルマーに注ぎ込まれる。 「あ♡この感じ」  マリーナが震える。 「くらえ!」  アルマーは剣から波動を迸らせる。合体魔法が解除され、元に戻る。 「馬鹿な!」 「後は任せたぞ、マリーナ」 「はい♡」 「終わりにしてやる! くらえ!」 「馬鹿な。われらが負けるなんて」  三本柱はマリーナの剣技により砕け散った。 「一件落着だな」 「アルマー!」  マリーナが抱き着く。 「マリーナ、ありがとう」
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