魔王との対決2

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魔王との対決2

「もうすぐだ」  そして、魔王の玉座に。 『無断で入ってくるなんて無礼な奴だ。そのはらわたを食いちぎってやろう!』 「今度こそお前を倒す!」 『闇の力に勝てぬ勇者が何を言う、アルマー。お前は足を引っ張っているだけだ』 「ほざくな。姫の力を良いように使いやがって」 「姫の力?」 「姫はそこらの魔法使いより強い魔力を持っている。だから、魔族がその力を欲しがってるんだ」 「そうだ。その姫は今はわが手中。好きにその力を使える」 「そうはさせん!」 「姫よ。こいつらに闇の力を思い知らせてやれ!」 「分かりました!」 「姫! アンナ!」 「気やすく呼ばないでください。腑抜け野郎が!」  姫が体から邪悪な力を放出する。 「闇に染まっている。魔王を倒さないと、元には戻らない」 「くっ。動けないな」  姫がマリーナの近くに来る。 「姫?」 「久しぶりね、マリーナ。見ない間に体も育って」  姫がマリーナの鎧と服を脱がす。 「何を? くはぁ」  姫がマリーナの胸を揉む。 「私より大きいんじゃない? アルマー様を虜にしようとしても無駄よ」 「痛い!」 『何をしておる! 殺さないか!』 「はあ!」  アルマーが氷を飛ばす。 「そんな剣技で倒せるとでも? 甘いわ!」 「みんな!」 「おうっ!」 (姫。思い出してください。私と暮らしていていたときのことを) 「ふふ。アルマー。心の中から呼び掛けるつもり? そんなもの、闇の力の前では。うっ」  姫が苦しみ出す。 『なんだと?』 「姫の力はそんな弱くないはずです。民を思う力、国を愛する気持ち。そして私とのこと」 「うう。止めて。頭が……」 「今だ、タツ!」 「おう!」  タツが武装解除魔法を唱える。姫を覆う邪悪な力は消え去った。 「私は何を? きゃっ、マリーナ。なんで裸?」 「姫が脱がせたんだ!」 「どうでも良いから、あっち向いてください、アルマー」 「ごめん」 「普通に裸見ないで下さい。いくら愛し合ってるからと言って」 『これはまずいな。姫の闇が消えてしまった』 「姫に闇はない。あるのはだ!」  アルマーは剣技で炎を飛ばす。 『ふんっ』 「アルマー、力を合わせましょう」  姫がアルマーの手を握る。マリーナも。 「俺たちの力を見せてやる。国に伝わる極意魔法を!」  アルマーの剣が光る。 「あれはまさか……」 「食らえ! ゴッドブレス!」  剣から迸る光の力が魔王の闇の力を穿つ。そして魔王は光に飲み込まれ、消え去った。 「はあ、はあ」 「アルマー様!」 「やったわね!」 「あんな力を使えるなんてな」 「融合魔法だ」 「アルマー様とマリーナが練習していた魔法ね」 「ああ。洞窟探検の時、俺の魔法ではびくともしない空間があった。その時助けてくれたのがマリーナの力だった。マリーナは俺よりも早く習得していた」 「とりあえず、戻りましょ」  アルマーたちはタツの異動魔法で神殿から脱出し、アルマーの町へ戻る。
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