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「とおるさん、もうすぐご飯できるよ」
庭で草木の手入れをしていたとおるは、作業をやめて家の中に入る。
「このシソね、さっき取ったばっかりだからきっとおいしいと思う!」
妻の美咲は、忙しそうに食事をテーブルに並べながら話す。
妻の美咲の顔色はいいし、活き活きとしている。
最初にあった頃とは別人のようだった。
妻の美咲は優しく、そして家事も得意で、とおるはとても居心地がよかった。
しかし、
時折とおるに対して怯えているところがあった。
もしかしたら暴力を振るわれていたんじゃないかと、とおるは思っていた。
穏やかな日々。
しかし、とおるは満たされない。
理由は分かっていた。
家族に会いたい。妻に会いたい。娘に会いたい。
とおるは決意した。
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