あなたならどうする?他の誰かになる?

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あつしは、遠い昔、建設事務所に入って、図面を書いてみたいと思っていたのをふと思い出した。 そして、建築事務所を探し、いいなと思える事務所に、自分から電話した。 「経験もなく、こんな年なのにバカげているのだとは思います。しかし、むかしからどうしても興味があり、給料が安くてもどんな雑務でもやるので雇っていただけないでしょうか?」 あつしは自分でもこんな積極的に動けることが出来るとは思わなかった。 「人は死ぬ気でものごとに取り組めば、たいていの事は出来る」 と、早くに亡くなった父が言っていたことをちらっと思いだした。 しかしもう遅いのである。
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