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創作落語【おっぱい怖い】
あるところに女好きのTwitterのフォロワー同士が集まるオフ会がありました。
そこで、話の流れから女の何が怖いかと言う話題になりました。
「俺は女の嫉妬が怖いね!」
「あー、嫉妬深い女は怖いな」
「昔付き合ってた彼女が嫉妬深くてさ、妹と話をしてても嫉妬してたし、なんなら家でペットの犬を撫でてても嫉妬してたんだぜ。私とペットどっちが大切なのよー!って」
「オイオイ、それは少し嫉妬深すぎやしないか?」
「それで、あんまり嫉妬深いもんだから長くは続かなかったよ」
「女の嫉妬は怖いからなぁ…」
「他にはないかい?」
「俺は勘の鋭い女が怖いな」
「ああ、たしかに妙に勘がいい女ってはいるなー」
「実はある女と付き合っている時に会社の出張に行くって嘘をついて、他の女とデートに行ってたことがあるんだ」
「へぇ」
「そして帰ってきた時に、開口一番。なんて言ったと思う?」
「まさか…」
「そう、まさかだよ。他の女と会ってきたんでしょう?って」
「うわぁ…」
「なんでバレたんだよ?」
「それが、なんの証拠もないんだけど女の勘なんだってさ」
「それでどうしたんだい?」
「そりゃ、しらを切ったさ、バレるはずがないし」
「だよなぁ」
「でも、だんだんと問い詰められて、ついに白状することになったのさ」
「そんなにかい?」
「ああ」
「で、なんでわかったのか?って聞いたら勘なんだってさ、怖いぜ『女の勘』は」
「怖いなぁ…」
「他にはどんな怖いことがあるかねぇ?」
「俺はヤンデレが怖い」
「ヤンデレ?」
「いわゆる嫉妬のと同じようなもんなんだけど、一緒に死にたがるんだよ」
「そりゃ穏やかじゃないな」
「いや、普段はデレデレしてて良いんだけど、かんじょうが高ぶってくると『ねぇ、一緒に死んで…』って出刃包丁持って迫ってくるんだぜ?」
「お前、よく生きてるな」
「まぁ、今のところなんとかな…」
「いつか殺されるかもしれないな…え、まだ付き合ってんの、怖っ」
「まだ、怖い女ってあるかい?」
「おいおいおい !さっきから黙って聞いてれば嫉妬が怖い?勘が怖い?ヤンデレが怖い?
そんなのちっとも怖くねえじゃねえか!」
「じゃあ、お前は女の何も怖くないって言うのかい?」
「当たり前だ!女なんてちっとも怖くねぇ!」
「オイオイ、すごい奴がいたもんだなぁ…」
「当たり前よ!どいつだ?嫉妬が怖いなんっていってたのは?
嫉妬されるだけ惚れられてるってことだろうが!
惚れられて怖がるなんて何を言ってやがる」
「お、おう…」
「それと勘が怖い?いくら勘が良くても誤魔化して考えすぎだって
シラを切っておいた方が良い場合もあるだろうが嘘つくんなら
徹底すれば良いんだよ!」
「そうは言うがなぁ…」
「あと、ヤンデレが怖い?出刃包丁で迫ってくる?
そのまま仲良く料理でも作って食えば良いじゃねぇか!」
「そうなのか…」
「あー、くだらねぇ。女の何が怖いって言うんだ!くだらねぇくだらねぇ!」
「じゃあ、お前は女の何も怖くねぇっていうのかい?」
「当たり前だ何も怖くねぇ!」
「…いや、俺にもひとつだけ、どうにも怖いものがあったぜ…」
「ほらみろ!お前にもあるんじゃねぇか!」
「言ってみろ!言ってみろ!みんな怖いものを言い合ってるんだ」
「でもなぁ…」
「良いから言ってみろって」
「じゃあ、俺は『ぉ………』が怖い」
「え、よく聞き取れなかった。もう一回言ってくれ」
「だから」『ぉ……ぃ』だよ」
「なんだ『ぉ……ぃ』ってのは?」
「『おい』…『おいらん』のことか?」
「バカ言え今の時代に『おいらん』が居るかよ」
「もう一回言ってくれ、こんどはもっと大きい声で」
「何度も言わせるなよ『おっぱい』だよ!」
「ええっ!?『おっぱい』!?」
「でかい声で言わないでくれ…『おっぱい』って言葉を聞くだけで怖くてしょうがねぇ」
「ああ、そうかい、すまんかった」
「『おっぱい』の何が怖いんだい、良いじゃねぇか『おっぱい』」
「なにいってやがんだ…怖いじゃねえか
デカかったり、揺れたり、重そうだったり、柔らかかったり、先に色がついてるんだぜ?先っぽがとんがってて危ねぇから怪我しねぇようにカバー付けてるじゃねぇか」
「そんなに怖いかい?」
「ああ、怖いね」
「いいものだよなぁ『おっぱい』」
「ああ、俺は『おっぱい』でご飯三杯は行けるね」
「ああ、怖い怖い!あんまり『おっぱい』って言わねえでくれ、寒気がしてきたから俺は先に寝てるぜ…」
「世の中には変わったもんが怖い奴がいるもんだなぁ」
「『おっぱい』が怖いんだってさ」
「そうだなぁ…しかし、なんだよ、あいつ」
「俺たちが怖い怖いっていうのをバカにしやがって」
「そうだよ、普段から気に入らなかったんだ」
「良いこと考えた!アイツの前におっぱいを並べて怖がらせようぜ!」
「それは良いな!たくさん並べて怖がらせようぜ!」
「じゃあ、俺は大きい『おっぱい』を用意するぜ」
「良いじゃねえか大きい『おっぱい』こわいっていってたもんな」
「じゃあ、俺は先のとがった『おっぱい』だ」
「良いねぇ」
「大きさや形じゃ及ばないが色や艶だったら負けないぜ」
「良いぞ良いぞ!」
「じゃあ、美乳の良さを教えてやるぜ!」
「それ…美乳ってか微乳…いや、『まな板』か?」
「良いんだよ!意外とこういうのが怖かったりするんだよ」
「そうなのか?まぁ良いや並べろ並べろいっぺんに見せたら気絶するんじゃないか?」
そんなわけで『おっぱい』をたくさん集めて並べました。
「おーい、起きろよ!せっかくにオフ会なんだからこっち来て酒でも飲まないか?」
「うるせぇな…俺は寒気がして具合が悪いんだよ…」
と振り向いた先には沢山の『おっぱい』
「ほーら、おっぱいだぞー!」
「・・・」
「ほらほら、大きいおっぱいだぞー」
「・・・」
「形だったらこっちの方が良いぞ」
「・・・」
「色、艶だったら負けないぞ!」
「・・・」
「ちっぱいも良いんだからねっ!」
「・・・すまん、ここらで一つ言わせてくれ…」
「俺が怖いのは女の子の『おっぱい』なんだ…」
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