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「うわっ……」
ポートに戻って来ると、ズラッと「クエストに挑戦しよう」「チュートリアルのボスを倒そう」「必殺技を撃ってみよう」「クエストをクリアしよう」が完了した事がと表示された。
「この画面びっくりしますよねぇ」
「……一括で沢山済むのは嬉しいんですけど」
「分かります」
「え、と、じゃあ報告してきます!」
「いってらっしゃい」
タヌ達のいるカウンターまで行き、クエストを受注した時と同じようにして、クエストのクリアを報告する。
すると、クリア報酬としてゲーム内通貨を貰った。
チュートリアル「クエストクリアを報告しよう」が完了した通知を確認した後、もう一度レイの元へと戻ってくる。
「ありがとうございます、これでほとんど……アレ、一個クリアできてない」
「どれです?」
レイが紙を覗き込んでくる。
その時、ちはるは内容自体は確認していたのだが、正直困っていた。
内容は「フレンド登録をしよう」、というゲームなら一般的なもの。
普段ならいつもの仲間に適当に申請してクリアしているのだが、自分で選んだ外見に何か言われそうで、出来るのなら今はまだ見つかりたくない。
だからといって、これだけ強いプレイヤー相手に頼むのも気が引けた。
「……ああ、フレンド登録ですか」
それと同時にピコン、と音がしてメールが届いたアニメーションが再生され、開けばレイからのフレンド申請が入っていた。
「え、えっ」
本当にいいのか、とレイの方を見ると微笑み、彼は頷く。
ドキドキしながらフレンド申請を承認する。
すると、今までより一際大きなクラッカーがパーンと弾けるアニメーションが表示された。
≪チュートリアルクリアおめでとうございます!≫
「お、終わった……!」
「はい、お疲れ様でした」
「あ、あの……」
クエストクリアが目的の為、ちはるはレイにフレンド解除を言いだそうとしていた。強いプレイヤーにとっては初心者は邪魔にしかならない事もある、というのを、ゲーマーであるちはる自身もよく理解していた。
レイはちはるが何を言おうとしたのか察して、穏やかに微笑んだ。
「解除しなくて良いですよ。時間が合ったら付き合います」
「あ、ありがとう、ございます!助かります!今後ともよろしくお願いします!」
「……本当にそんなに大層な存在ではないんですが」
「ある意味レアアイテムより遭遇率の低いレアキャラだと思います」
「そんな大げさな……」
苦笑いするレイをよそにちはるは何度も頭を下げた。
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