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二人がポートに移動すると「ポートへ移動しよう」をクリアした通知がちはるの前に表示される。
「これで後……どれくらいだろう」
「クエストに挑戦して、ボスを倒して報告すればほとんどクリアのはずです」
紙と睨めっこするちはるに、レイがすかさず横から指摘する。
「ボスって」
「トドメはささなくても大丈夫ですよ。誰でも良いから倒せばクリアです」
「良かった」
まだ歩くのも意識しないと上手くいかないので、倒せる気がしなかった。
「後は当てなくても良いので、必殺技を一度撃ってください」
「で、出来ますかね」
「サポートします」
そう言うと、レイが目の前のゲートのボタンを指でさし示した。
「これを押したらゲートが繋がって、戦場に出ます。初級クエストでは奥にボスと、複数の弱いモンスターが襲ってきます。立ち回りを覚えて下さい。出来る限りサポートしますので、失敗は恐れずに」
「はい!」
「準備が整ったらボタンを押してください」
レイの説明は画面の下やボタンの横などに良く見ればあった。
けれど、近寄ってみないと分からなかったり、意識してみないと気づかない所にほとんどが書いてあった。
ポートでは繰り返し同じ行動をするようになるので、身体で覚えろ、という事なのかそれともあえてここで身体を動かす事に慣れろという事なのか。
それならここでもう少し歩く練習をした方がいいのかもしれない。
ちはるは少し気になったが、レイが親切で言ってくれているのは分かったのでボタンを押して先に進む事にした。
まばゆい光が広がり、目の前が真っ白になった。
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