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何もない日常で、腐ったように過ごしていた。そんな僕に何も取り柄のない学生の女の子が、好き好き、言ってくる。
はっきりブサイク。
しかし、僕もブサイクなのだ。僕は鼻で笑ったよ、そして付き合うことになったんだ。
僕は法学部で適当に勉強している、そんな身だ。
彼女は華という。一重瞼、脂肪のついた腹、なんでこんな僕を好きになったのか分からない。僕は適当に「好きだよ」と言って、彼女との日常を過ごしていた。
堕落もの、それが僕。酒、煙草、パチンコ、怯えながら麻雀を打つ、バイト代は競馬へ。
糞みたいな人生、そこに華が介入してきた。
夜、暇だったから彼女を誘った。部屋に。
いつも彼女は拒む。別に暇だったから一緒に酒を飲みたいだけった。
きったねえラーメン屋で、阿呆面して稼いで、大学に行って、小難しい民法なんか勉強しちゃったりして。別につまらねーけど、法律。
法律を作ったやつはすごいと思う。ハンムラビ法典から、十二表法、ナポレオン法典、やべー奴らばっかりだな、と。
華が「もっと勉強して、勉強して、わたしのために弁護士になって」と言ってくる。
正直「うるせー、ブサイク」と言ってやりたかった。うるせーわ、どうせ僕もブスだけど。
競馬で万馬券を買って、呆然とレースの様子を見ていた。
やっばー、当たっちゃったよ、五十万。
一人で飲むのはもったいないから、彼女よぼー。
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