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普段の華はやはりブサイクである。
なんか別にどうでもよくなった。僕は言われた通り必死に勉強して、大学を卒業した一年後、弁護士の資格をもった。
僕は華と付き合いながら、ポルシェにも乗った。周りの人は不思議な顔をしていた。なんであんなスーパーカーにブサイクな人が乗っているんだろう、みたいな。
いいじゃん、別に、なんか美人は僕に見合わない。
夜になると、彼女は綺麗になる、いいよ綺麗にならなくて。
「なんで? なんで? 男の人みんな綺麗なわたしが良いって言うよ」
「いやー普段本田翼みたいなやつが横にいたら、疲れるじゃん」
「いいじゃん本田翼」
僕は呵々大笑した。
僕と華は年を段々取って、三十代になった。華はいつも綺麗な姿でいられるようになった。
「なんでだろう、昼間もこの姿になっちゃう」
僕はこう言った。
「いいよ、どっちでも、魂は一緒でしょ?」
その時、華の胸のあたりから、花が開くようなイメージを見た。
「あ」
「どうした?」
「わたし解放された」
「つまるところ、お前は何者?」
「ん? 下界を見てくるよう言われた天使」
「じゃあ、おゆき、天界に」
彼女はびんたした。
「だから愛してるって言ってるじゃん!」
僕はこの時確信した。あ、この女、いい女じゃん、って。
おしまい、おしまい。
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