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私は、仕事帰りや休日は、役に立ちそうな金融の資格を取ろうと、カフェや家で勉強に没頭した。勉男の人と知り合いになったら、また傷つくかもしれない。そう思うと、飲み会や合コンにも行けなくなった。
ある日、私は、澪子に呼び出された。
あの一件以来、服装もメイクも落ち着いたものを好むようになった私は、シンプルなパンツ姿で待ち合わせに向かう。勉強の邪魔にならないように、髪の毛は結んでいることが多くなった。
澪子は、あのときよりも落ち着いているように見えた。私が感じた華やかなきらきらしたオーラはないが、落ち着いて凛とした気品を感じた。
「真由、久しぶり」
手を上げた澪子の指に指輪は、はまっていない。私はすぐに気がついたが、何も聞かなかった。
食事をしようと、この前も入ったパスタ専門店に入ると、澪子は、和風のパスタを頼んだ。
「クリームパスタってしつこいよね」
メニューを見ていた澪子は眉をひそめた。
「あれ?」
目を丸くする私に澪子が言った。
「私、結婚するのやめたの」
私は水をひっくり返しそうになった。
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